私が所属する謡の団体、観世九皐会の初稽古がありました。
観世九皐会は東京新宿区矢来町にある「矢来能楽堂」を中心に組織され、
全国に謡の愛好会が支部を立ち上げています。
九皐会の名前にも由来があります。
稽古は新型コロナ対策でマスク着用、距離を取って座るなど注意して行います。
年初めは基本の曲「鶴亀」を全員で謡います。
(自分が仕事で遅れてしまい、揃ってから謡いました。大変申し訳ない…。)
マスクをして謡うのはやはり辛い。コロナ禍での悩みです。
その後は先生から各自の曲のご指導を頂きます。
私は「経正」の最後部分をご教授頂きました。
京都・仁和寺御室御所に仕える行慶(ぎょうけい)僧都は、法親王の命により、一の谷の合戦で討ち死にした平経政(経正)(たいらのつねまさ)を弔うこととなりました。そこで琵琶の名手として知られた経政が愛用した青山(せいざん)という銘の琵琶を仏前に据え、管弦講※を執り行います。
経政の成仏を祈る音楽が響き、夜半を過ぎた頃、燈火(ともしび)のなかに人影がほのかに見えてきました。不思議に思った行慶がどういう方が現れたのかと問うと、その人影は、「経政の幽霊である、お弔いの有難さに現れたのだ」と告げるのでした。
行慶が声の方へ向くと、人影は陽炎のように消えて声ばかり残ります。なお行慶が消え残る声と言葉を交わすと、亡霊は、花鳥風月を愛で、詩歌管弦に親しんだ在りし日を懐かしみます。そして青山の琵琶を奏で、舞うなどして往時の様子をあらわにし、夜遊の時を楽しむのでした。しかしそれも束の間。修羅道に堕ちた身には、憤りの心が起こります。経政はあさましい戦いに苦しむ姿を見せ、その身を恥ずかしく思って人に見られまいと燈火を消し、暗闇に紛れて消え失せていきました。
今はこのような上記のようなホームページがあり、新しい曲を稽古する際は
物語やその背景を調べることができ、大変便利です。
曲の盛り上がりを意識して謡いますが、やはり節回しが難しいです。
経正は今日で終わりましたので、次は「土蜘蛛」を稽古しようと言われました。
コロナ禍での活動は色々と制約があり大変ですが、
来週までに復習を行い、今年はより一層の精進に努めたいです。